エンジニア転職の失敗パターン7選|採用担当として面接で見えてきたこと

「転職しようと思っているんですが、失敗したくなくて…何を気をつければいいですか?」

転職を考えているエンジニアから、こういった相談をよく受けます。

正直に言うと、転職活動における失敗の多くは、能力の問題ではありません。転職活動そのものの進め方の問題で、損をしている人が目立ちます。

私は採用担当として多くのエンジニア候補者の面接に関わってきました。その中で「あ、このパターンは難しいな」と感じる場面が繰り返し出てきます。書類の段階で弾かれる人、面接で評価が下がる人、内定が出ても判断を誤る人——それぞれのフェーズで共通の失敗パターンがあります。

この記事では、採用担当として見えてきたエンジニア転職の失敗パターン7つを整理します。現在転職活動中の方も、「そろそろ考えようかな」という段階の方も、ぜひ一度確認してみてください。

転職活動の失敗が起きやすいフェーズ
※失敗が起きやすいフェーズは人によって異なります。全フェーズを一度確認しておくことをおすすめします

目次

パターン①:「なんとなく転職したい」から動き始める

転職活動をスタートする前の段階でつまずくケースです。

「今の職場がなんとなく嫌になってきた」「周りが転職し始めて自分も…」という漠然とした気持ちで転職活動を始める方は少なくありません。動機そのものは自然なことだと思います。ただ、採用担当として面接でよく感じるのは、動機が固まっていない状態で活動を始めると、あらゆる場面で判断がブレるということです。

  • 志望動機が薄くなる(「御社に興味があります」止まり)
  • 求人の絞り込みができず、手当たり次第に応募してしまう
  • 内定が出たときに「これでいいのか」と迷う

面接の場で「なぜ転職を考えているのですか?」と聞いたとき、「もっと成長したくて…」「スキルアップしたくて…」という答えが続くと、正直、採用担当としては「もう少し掘り下げていいですか?」となります。成長意欲は大切ですが、それだけでは「なぜうちか」が見えてこないからです。

✅ 転職活動を始める前に、「なぜ今の環境では実現できないのか」を言語化しておくことが、後の全ステップを楽にします。

パターン②:自分のスキルを過大(または過小)評価したまま応募する

書類選考のフェーズで多いパターンです。

「自分はPHP歴5年あるから、どこでも通用するはず」——この考え方は、採用担当から見るとかなりリスクがあります。技術の年数はあくまで参考情報で、採用側が見たいのは「何を、どんな規模で、どんな役割で、どんな成果を出してきたか」です。

逆に、過小評価も問題です。「まだまだ自分は経験が浅いので…」と謙遜しすぎて、本来スコープに入るはずの求人に応募しない方もいます。

採用担当として現実的なことを言うと、書類選考はポジションの要件と自分の経験の「重なり」を見るプロセスです。年数が多くても要件とズレていれば通らないし、年数が少なくてもピンポイントで合っていれば面接に呼びます。

自分の経験を第三者の目で棚卸しする習慣(職務経歴書のアップデートを定期的にやる、転職エージェントにフィードバックをもらうなど)は、転職活動の有無にかかわらず有効です。


パターン③:志望動機が「現職への不満」だけになっている

面接フェーズで最も多く見るパターンです。

「今の会社は残業が多くて」「評価制度が不透明で」「技術的な成長機会がなくて」——これらはすべてリアルな不満であり、転職を考える正当な理由です。ただ、それをそのまま志望動機として話すと、採用担当には「うちでも同じことが起きたらすぐ辞めそう」と映ります。

採用担当として面接で聞きたいのは、「あなたが何から逃げてきたか」ではなく「あなたが次に何を実現したいか」です。

私が面接で「なぜ転職を考えているのですか?」と聞くとき、本当に聞きたいのはその人の「次のビジョン」です。現職への不満は理解できます。ただ、それと「なぜこの会社か」は、別の話です。この二つが繋がって初めて、採用担当として「この人はうちで長く活躍してくれそうだ」と感じられます。

ネガティブな動機をゼロにする必要はありません。ただ、「現職では〇〇が難しい状況にある。だから次のステップとして△△に挑戦したい」という形で、前向きな文脈に乗せることが大切です。


パターン④:転職エージェントに「丸投げ」してしまう

転職エージェントを活用すること自体は非常に有効です。ただ、エージェントの提案をそのまま受け入れてしまうと、自分の優先順位とずれることがあります。

エージェントは基本的に、企業への転職成立で報酬が発生するビジネスモデルです。紹介会社にも事業上の立場があるため、提案を鵜呑みにせず、自分の判断軸を持っておくことが大切です。

私自身も転職活動を経験しているので、エージェントに感謝している気持ちは本当にあります。マイナビエージェントを使ったときも、担当の方には本当によくサポートしてもらいました。ただ、2回目の転職活動(JACリクルートメント)のときに気づいたことがあって——エージェントが「この企業いいですよ」と言う企業と、私が「ここに行きたい」と思う企業が、必ずしも一致しないんです。

私はそのとき、エージェントの提案を一度受け止めつつも、「私の優先順位は何か」を改めて整理し直しました。結果として現職を続けることを選んだのですが、その経験から、エージェントは「道案内役」として使いつつ、意思決定の主体は私が持つことの大切さを実感しています。


パターン⑤:面接を「一方的に評価される場」だと思い込む

これは特に、転職経験が少ない方に多いパターンです。

面接は採用担当があなたを評価する場ですが、同時にあなたが企業を評価する場でもあります。この認識の差が、入社後の「こんなはずじゃなかった」に直結します。

採用担当として面接をしていると、「御社はどんな技術スタックを使っていますか?」「チームの雰囲気はどうですか?」といった逆質問をまったくしない候補者が一定数います。内定後に「実は聞いておきたいことがあって…」と連絡してくることもあります。

聞ける機会があるうちに聞いておくことが、ミスマッチを防ぐ最大の手段です。聞いておいたほうがいい具体的な質問例を挙げると:

  • 「チームの平均残業時間はどのくらいですか?」
  • 「入社後6ヶ月で、どのような状態を期待していますか?」
  • 「現在のチームのエンジニアが1番苦労している課題は何ですか?」
  • 「技術的な意思決定は、どのように行われていますか?」

採用担当から見ても、こうした質問をしてくれる候補者は「ちゃんと考えて来ている人」として好意的に映ります。

面接で使える逆質問の例(テーマ別)
※採用担当に好印象を与えやすい逆質問の例です。自分の優先事項に合わせてアレンジしてください

パターン⑥:「年収アップ」を最大の軸にして転職先を決める

年収アップを目的に転職することは、まったく間違っていません。市場価値を上げるために転職するのは合理的な判断です。

ただ、採用担当として長く見てきた印象として、「年収だけ」で転職先を決めた人は、比較的早い段階で「やっぱり違う」となることが多いです。

年収だけで判断せず、業務内容・期待値・労働条件もあわせて確認することが大切です。求められる役割、評価基準、働き方、チーム体制などを事前に確認しておかないと、入社後に「こんなはずじゃなかった」になりやすい部分があります。

年収を軸にすること自体は正当ですが、その年収でどんな役割や成果を期待されているのかを理解した上で判断することが重要です。面接や求人票だけで読み取れない情報は、エージェントや転職口コミサービスを使って補完するのが現実的な方法です。


パターン⑦:内定が出たら「すぐ決断」してしまう

意思決定フェーズでよくあるパターンです。

「内定をもらえた!嬉しい!」という気持ちはよくわかります。ただ、内定はゴールではなく、あくまでスタート地点です。内定通知を受け取った段階から、本当の意味での「判断」が始まります。

採用担当として内定を出す側で見ていると、「本当にここで良かったのか」と迷った末に入社した人のほうが、入社後に能動的に動いてくれることが多い印象があります。逆に、「とりあえず決まったから」で入社した人は、業務に入ってからの適応が遅くなるケースが少なくありません。

内定後に確認しておくべきことを整理しておくと:

  • 労働条件通知書の内容(想定と異なる点はないか)
  • 入社後の具体的な業務内容と配属チーム
  • 試用期間の条件
  • 現職の退職スケジュールと入社日の調整

内定をもらった喜びと、判断をする冷静さは、別々に持てます。「少し考えさせてください」と伝えることは、誠実な候補者として採用担当にもきちんと伝わります。回答期限を確認した上で、最低でも2〜3日は落ち着いて考える時間を作ることをおすすめします。


まとめ:失敗パターンを知ることが、転職を成功させる第一歩

ここまで7つのパターンを紹介してきました。まとめると以下の通りです。

# 失敗パターン 対策
動機が曖昧なまま動き始める 「なぜ今の環境では実現できないか」を先に言語化する
スキルを過大・過小評価して応募する 職務経歴を第三者目線で棚卸しする
志望動機が「現職への不満」だけになる ネガティブ動機を「次に実現したいこと」に繋げる
エージェントに丸投げする エージェントは道案内役。意思決定の主体は自分で持つ
面接を一方的に評価される場だと思う 企業を評価する質問を準備して持ち込む
年収だけを軸に転職先を決める 「なぜその年収を出せるか」を理解した上で判断する
内定が出たらすぐ決断してしまう 内定後の確認事項をリスト化して冷静に判断する
✅ これらは能力の問題ではなく、転職活動の進め方の問題です。事前に知っておくだけで、同じ失敗を避けられる可能性は十分あります。

転職活動を成功させるために、ぜひ活動の各フェーズで立ち返る材料として使ってみてください。


転職エージェント選びにも「失敗パターン」がある

「エージェントに丸投げしない」ために大切なのは、そもそも自分に合うエージェントを選んでいるかという視点です。

IT・エンジニア特化のエージェントと、総合型エージェントでは、求人の質も担当者の専門性も異なります。採用担当として候補者の経由エージェントを見てきた経験から言うと、エンジニア転職ではIT特化のエージェントも選択肢に入れておくと、判断材料が増えます

複数のエージェントを比較した上で選ぶことが、「丸投げ」ではなく「賢く使う」につながります。どのエージェントが自分の状況に合うかは、以下の記事で採用担当の視点を交えながら整理しています。


エンジニア転職エージェントを選ぶ前に、比較記事を一読してみてください。

採用担当として各エージェント経由の候補者と多く接してきた経験をもとに、それぞれの特徴と向いている人の条件を正直にまとめています。

エンジニア転職エージェントおすすめ7選|採用担当が本音で比較した


また、今回の記事でも触れた「転職エージェントとの付き合い方」は、特定のエージェントを知っておくとより実感を持って判断できます。レバテックキャリアについては、採用担当として候補者を通じて見えてきた実態を別記事でまとめています。エンジニア転職でよく使われるエージェントの特徴を具体的に知っておくことで、”丸投げ”ではなく”賢く使う”イメージが掴みやすくなります。

レバテックキャリアの評判は?採用担当目線で利用者の口コミを検証した

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この記事を書いた人

早川ナオのアバター 早川ナオ バックエンドエンジニア / チームリーダー・採用担当

Web系企業でバックエンドエンジニアとしてキャリアをスタートし、現在はチームリーダー・採用担当を兼務。エンジニア歴17年。採用担当として多くのエンジニア候補者の面接に関わり、採用基準の策定も担う。
転職エージェント利用経験2回(マイナビエージェント・JACリクルートメント)。採用する側・される側の両方の視点から、ITエンジニアのキャリア情報を正直に発信しています。

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